狩る者と狩られる者
[抗い](1/12)





梟の医者に診てもらった帰り道。



チスイは森の中、超音波で襲いかかってきた獣人を気絶させながら歩いていた。



本当は超音波は使いたくないのだ。



しかし、もうだいぶ夜が深い。



夜行性の動物は、危険な種類が多いのでまともに戦うのは難しい。



行きは逃げながらの移動でも明るかったからまだいいが、帰りは暗いので獣人が迫って来ていること自体に気がつけない。



なので常に超音波を放ち獣人除けをして、襲ってきても気絶させられるようにしていた。



狩猟機関の基地に着いた頃、チスイはかなり疲弊していた。



耳があまりよくない獣人も気絶させられる程の超音波を三時間以上鳴らしていたので、当然だ。




「チスイ、おかえり。」




「シェミ?何でここにいるの?」




シェミは基地の出入口に、壁に背を預け立っていた。







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