狩る者と狩られる者
[策略](1/6)





グラームはコーヒーを飲みながら、ある一点を凝視していた。



照明の紐の先を見つめながら、考えるのはチスイとシェミのこと。



照明の羽が天井で静かに回転している。



すっかり冷めてしまったコーヒーを、思い出したかのように時々口に運ぶ。




「ユウリ」




グラームは言った。




「あれ、気づかれました?」




部屋の扉を後ろ手で閉めている途中の格好をした女性。



ユウリと呼ばれたその女性は、扉を閉めるとグラームの机の前まで歩いた。




「いやー、ノックしても無反応なんで、もしやこれはまた何か考え事でもしているのかな、と思いまして。」




言いながら、ボリュームのある茶髪をポニーテールにしている。



紐を口で咥えながら話すので、変にくぐもった声だ。



半笑いの空気のユウリは、満面の笑みでこう言った。




「それで、今度はどんな謀ですか?」







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