RooM〜閉ざされ部屋〜
[第1章 目覚め](1/2)
静寂の中、静けさの音で男は目を覚ました。
男「ここは何処だ?」
辺りを見渡すと腐食し緑がかった打ちっ放しのコンクリートで囲まれた部屋に男はいた。
男「あれっ?」
男は驚愕した。不思議な事にこの部屋には窓も扉も無い。それどころか光さえ入る隙間も無い。
不思議な事に部屋の中はボンヤリと薄暗い明かりがどこからとも無く照らし視界はハッキリしていた。
男「一体何なんだここは!どうしてこんな所にいるんた?」
男はある疑問が頭をよぎった。
男「俺はどうやってここに入ったんだ?窓も出口も無いこの部屋に?!誰が何の目的でこんな所に?わからない。何もわからない。」
薄暗い部屋と冷たい壁が不安と恐怖を掻き立てた。
ウァー!ウァー!ウァー!
意味も無く男は叫びを上げた。何度も何度も繰り返し叫び続けた。
しかし無情にはその声は静寂の中に打ち消されるだけだった。
そして、男は最大の疑問に辿り着いた。
男「俺は誰なんだ?」
男は自分の名前も、何をしていたのかも、
何故ここにいるのかも全くわからなかった。
男は不安と恐怖の中、絶望感に包まれた。
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