砂糖菓子が溶ける時。
[写真の先輩](1/7)



「ね、男子バスケ部マネージャーの有坂莉乃ちゃんであってる?」

「はい。……あっ!?」


見たことあると思ったその顔は、部室にあった写真に写っていた、元マネージャーだった。



「どうも南明日香です。私のこと知ってる?」

「あ、いえ、えっと、部室に写真があって、それで顔だけは。」


私が言うと先輩は目を丸くする。
そして唐突に話を変えた。


「全国出場おめでとう。」

「ありがとうございます。」

「愛しの爽くんの活躍はどうでしたか?」

「え?」

顔が固まる。
突然何を言い出すんだこの先輩は。



「だって、莉乃ちゃん、爽のこと好きでしょ?好きだから入部したんだよね?」

「?!い、いいえ。」


_半分、嘘をついた。
決して好きだから入部したのではない。



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