恋をする、その先に…

♥8章:雷雨と過去に、向き合う記憶(1/33)


日本特有の
雨が多くなる季節―――


誰もがこの時期は
天気と共に気分も暗くなり
晴れ晴れとしない憂鬱な気持ちになる。


…が、ヒメにとってそれは
忌まわしい過去を思い出す
スイッチにもなる。

トラウマと
向き合う時期…。



―――――
――



「雨かぁ…」



秘書室で
自身の仕事をしていると
窓にポツポツと当たる雨音が
耳に入ってくる。



「そういえば
 日本は雨が多いんだっけ…」



2年ほど外国にいたから
雨季とは縁がなかったが
久しぶりに聞いた日本の雨。



「今朝も天気予報で
 大雨に注意って言ってたな…」



だから何って事もなく
パソコンに目を移し
再び仕事に向かった。



外も厚い雨雲に覆われ
次第に雨は強くなり
いつの間にかザァザァと
音も変わってきている。



ブラインドを閉めようと
窓へと近付くと
雨の強さが実感した。



「うわ…
 雷光ってんじゃん」



遠くで光る稲妻に
『最悪だなぁ』と呟くも
この時はまだ
昔を思い出す事はなかった。



「イヤな雨…」



本当に誰もが皆思う事を
ヒメも同様に思っていただけ。





- 167 -
● 。゜


もどるつぎへ
🍀Bookmark🍀
/205 n
⇒作品?レビュー
⇒モバスペ?Book?
[編集]
<<<<