恋愛スクラップ
[チョコレート](1/1)
恋愛漫画で読んだのは嘘だった

漫画の世界ではバレンタインデーは好きな男の子にチョコレートを渡して告白するイベントだった
告白したり、好きな男の子の席に下駄箱や机にチョコレートをこっそり入れておいてキャーキャー騒ぐ行事だった

実際は女子がわんさかクッキーやらカップケーキを作って友達にばらまく行事だ

あの子のケーキは美味しいとかラッピングがかわいいとかそういうのをきゃっきゃと女の子同士で騒ぐのは楽しい

それに、お菓子を手作りなんて、こういったイベントの時にしかできない
なぜなら普段やったら女子力アピールかと妬まれるかもしれないからだ

だから私ももれなく女の子の分しか作らなかった

フリをした

少し多めに作ってわざと余らせた
クラスの女の子の大半はそうしていると思う

もちろん好きな男の子にあげるためだ。
「余ってしまったから」
と言い訳をして

好きなんて言わないけれど
あげることに意味がある
美味しいお菓子を作れる女の子なんだって思われたい
私のこと気になってくれたらいいな、なんて

だから一番綺麗にできたチョコレートにはシールを貼って目印をつけて最後まで取っておく

放課後あなたに渡すのをドキドキしながら
授業が終わるのを待つのです













- 85 -

前n[*][#]次n
/112 n

⇒しおり挿入


⇒作品レビュー
⇒モバスペBook

[編集]

[←戻る]