交際0日婚ですが何か?

バーベキューなう(2/24)









朝早くからせっせかせっせか
リュックに何を詰め込んでるんですかね杞紗ちゃん。

もうそろそろ家出ないと間に合わないかもよ。


「杞紗、今日はおめかししないのか?」

「バーベキューですからね!いっぱい食べれる格好でいきます。」


いっぱい食べれる格好ってなに?
ジーパンとかスキニーパンツはやめとくってこと?
でもお前大概スカートかワンピースだよね。
まぁパンツもはいてるけどさ。
まさか常日頃いっぱい食べれるようにしてるとか言っちゃう?


一度寝室に戻った杞紗が自身のチェストをゴソゴソとあさっている音が聞こえる。


あったあった!

明るい声がした、その数分後


「じゃーん!どうですか?これならお腹キツくならない。」


濃い目のジーンズ生地で出来た
オーバーオールを身に纏う杞紗が、俺のそばに立っていた。


「・・・・・・可愛い。可愛いけど最後の一言で台無し。」


完全に男の目を気にしての発言ではない。
自分の胃袋の問題ね。
原さんやその他上司の奢りと知って、
杞紗はたらふく肉を食う気らしい。

果たして出来ない派遣と本当にバトルするのだろうか。


そこでふと何を詰めているのか気になって、リュックを覗いてみる。

すると中には、



防犯ブザー、カラーボール、コンパクト警棒、催涙スプレー、トンファー、ナックル、その他もろもろ



・・・・・・・・・お前は一体何とやり合うつもりなんだ。


トンファーとナックルは確実にいらない。
もはやそれアクション映画の世界だよね?



「杞紗、防犯ブザーと催涙スプレー以外は置いていけ。」

「え!!な、なぜですか!せっかく準備したのに・・・」

「そこまで武器はいらない。どんだけボコボコにする気だ。」

「わからないじゃないですか。女の仲間があの会社にいるかも。」

「俺が杞紗を守るから大丈夫。向こうに着いても一人にさせるつもりないし、それにこないだ散々言ったろ?俺がいない所で無茶はするなって。」

「・・・・・・」



デロデロに甘やかして吐いた、あまーい言葉を思い出したらしい。
顔を赤くして俯いている。くっそ、今から嵐になってバーベキューなんて中止になればいいのに!!そしたら俺は一日中杞紗とイチャコラできるのに!!



「・・・・・・わかりました。他のは置いていきます。」

「ん、いいこいいこ」

「・・・・・・ふへ」



頬を手のひらで撫でてやれば、ふにゃんと笑ってそれにスリスリ頬ずりしてくる。

猫みたいな杞紗の仕草に俺も笑みを零しながら
屈んでチュッと口付けた。



「さて、行くか。」

「・・・・・・ギューもして下さい。」

「・・・・・・・・・」



俺の理性を壊しにかかるのやめなさい。






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