交際0日婚ですが何か?

緊急会議なう(9/9)










・・・・・・まぁ、こうなるよなぁ・・・



リビングのあちらこちらで雑魚寝をしている3人。

村井がソファーを陣取り、ミヤビちゃんと横井は床で寝ている。
杞紗が1人1人にタオルケットを掛けて回る。


「まだ寒くなくて良かったですね。」

「そうだな。この人数分毛布は無いし、冬だと雑魚寝は無理だろうな。」

「今日は大人数で楽しかったです。たまには横井さんの遊びに乗るのもいいかもしれません。」

「・・・本人の前でそれ言うなよ。調子乗るぞ。」

「わかりました。半年に一回レベルぐらいなら良しと言っときます。」

「うん、それぐらいがいい。」


むやみに「楽しかったですねまたしたいです!」なんて言ったら
こいつはきっと3日後にはプランを考えて何だかんだと押し掛けてきそうだ。
それはたまったもんじゃない。

居酒屋でちょっと寝たからなのか、杞紗が珍しく起きている。
0時を過ぎるといつもショボショボするくせに・・・



「コーヒーでも飲みます?」

「んー・・・カフェオレにして。はしゃいで疲れた。」

「わかりました。寝室持っていくんで、先に行ってて下さい。」

「おう。」



杞紗のおでこにちゅっと不意打ちキスをして
寝室へと足を運ぶ。

今頃顔を赤くしながらカフェオレを作ってるのだろうか。
想像するだけでムラムラ・・・・・・いや違う、ニマニマする。

流石に今日はできない。
万が一でも杞紗の可愛い声が横井に聞こえたら・・・考えただけで嫌だ。
あれからほぼ毎日シテたので、1日くらいなんてことは無い。・・・はず。耐えろ俺。


「お待たせしました。」



5分もすれば杞紗がトレーにマグカップを乗せて、寝室へ入ってきた。
目つきの悪いシロクマから湯気が立ち上っている。
熱々だな。
サイドテーブルにトレーごとそっと乗せる。
杞紗の中身は、定番のココアとみた。


「また甘そうなの飲んで」

「むっ、今日はお砂糖無しだからそこまで甘くないもん。」

「嘘だな。ちょっと入れたろ」

「・・・・・・」

「正直いってみ」

「・・・す、スプーン一杯・・・」


でも小さめのスプーンで入れたから!と言い訳している。
いやいや充分甘くなる量ですから。
ていうか何で最初嘘ついた。


持ってきてもらったカフェオレに口をつける。
ミルクと砂糖の量は少なめ。
一緒に暮らすようになって、杞紗は俺の好みを完全にわかるようになっていた。
何も言わずとも、ちゃんと俺の好きな味になっているのだ。もちろん料理も。
自分を理解してもらえてるようで嬉しい。
俺も杞紗の事わかってますけど?

こいつはとにかく食い物に目がない。
あ、これは前から知ってたわ。







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