交際0日婚ですが何か?

新婚なう(13/13)










「意外と面白かったな」



なかなかにドンパチ戦うファンタジーだった。
魔法とかもあったけど
主人公は肉弾戦が得意らしい。
いや、魔法使えや。

主従の使い魔と魔法を駆使して、政府の闇を暴いてくっていうストーリーだ。
三部作構成なのでまた杞紗と見に来よう。


「使い魔さんキモカワでしたね。」

「杞紗に似てた」

「やめてください。あんなブサイクじゃないです。」


あれ、キモカワって言ってなかった?
いつの間にブサイクオンリーになったんだよ。
使い魔への愛情消えたの?
マジトーンで否定すんな。


「晩飯はどうする?家で食う?」

「そうですね。何にしましょう。」


昼にガッツリ食ったからなぁ。
酒も飲みたいし、つまみがほしい。


「そういえばこうきさん、いつもお昼はどうしてるんですか?」

「あーもう外食かな。午前中はほぼ外だから。」

「あれ、また調査のほう行ってるんですか?」

「この間新人がやめたから、次来るまで俺が出てる。」

「・・・確かにあの仕事は向き不向きがありますからね。」


うちにバイトに来ていたので
杞紗は俺の仕事をだいたい把握している。
愚痴を言っても理解して頷いてくれるのが実はすごく嬉しい。

調査といっても誤解しないように。探偵業とかそういうんじゃないんで。
測量士的な、そっち系なんで。


「私お弁当持っていこうと思うんです。いいですか?」

「おぉ、いいよ。頑張んな」

「ありがとうございます!美味しく出来るようになったらこうきさんの分も作りますね。」


なるほど、練習がてら作るのか。
そしてまずい前提なのね。
気にしなくていいんだけどな・・・
今日の朝食を見る限り、こいつはレシピを見れば作れるタイプの人間だ。
弁当もその要領で作ればまずくはならないだろう。


「失敗してもいいから俺のも作って」

「マジで言ってるのですか」

「マジだ」

「調査に出てるならお昼は特に大事でしょう。だからダメです。」

「じゃ料理に慣れるまで朝も一緒に作ろうぜ。それで1人でも大丈夫になったら杞紗に任せる。」

「・・・うむ」


悩んでる悩んでる。
眉間にしわを寄せて唸っている。
その顔あの使い魔にそっくりだよ杞紗ちゃん。
何分かうなり続けてようやく決まった。


「わかりました。一緒に作ってください。」

「おう。それじゃ弁当箱見に行こう。」

「あ、私も持ってなかった。」


弁当箱にさして興味はないのか、100均のでいいです。と言い出した。
可愛さは求めてないのね。食う方が好きだもんね。
でも男の弁当箱は無さそうだから、別のとこ行こう。


「はっ!マグカップのシロクマお弁当もありました!あれにします。」

「それは俺が却下する。」


ふてぶてしい顔をこれ以上増やすな。









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