あの日の僕にさよならを…
§[その狼、慕情](1/10)
僕と貴方と貴女の事情…
寝ぼけ眼で着替える僕に、土方さんが言った。
「今日は1日、出なきゃならねぇ用があってな。傍にいてやれねぇんだが、大丈夫か?‥」
帰り遅いの?‥と、つい甘えて聞いてしまった…
「まぁな…今夜は確か…斎藤と総司が巡察だったか…昼の間は斎藤にでも一緒にいて貰えよ。夜は、また原田に頼んでおく。」
‥ここで待ってちゃ駄目?
「だいぶ遅くなるかも知れねぇんだ…相手はしてやれねぇ。」
そう…わかった。
じゃ、原田さんに遊んで貰っとくね。
ヘンな遊び教え込まれてくんなよ、と土方さんは笑って僕の頭を撫でた。
二人の時は父親だと思って呼べばいい‥と言ってくれた土方さん。。
‥呼んじゃおっかな。
「えっと…気をつけて‥‥行ってらっしゃい…父さん‥//」
うわっ…やっぱ恥ずかしいな…
「お、おう…//」
なんか土方さんも顔赤いんだけど…
いいコにしてろよ、と再び僕の頭を撫でて、土方さんは出掛けて行った。
はぁぁ…
気が抜けるな…
そのまま部屋でゴロゴロしてると、薄荷キャンディーが僕を呼びにきた。
「おーい、涼。まだ寝てんの?土方さん、出掛けたんだろ?朝飯だぞー。」
ポニーテールを揺らして、平助君が入ってくる。
「へーちゃん、おはよ♪」
「おお、おはよ♪‥って、寛ぎ過ぎだろ…おまえ、スゲーな。あの土方さんの部屋で…」
平助君が呆れたように僕の顔をペチペチ叩く。
「へーちゃん‥顔で遊ぶの好きだね。」
「だって、涼の顔、すべすべしてて気持ちいいんだもんな♪」
‥‥‥‥‥‥。
「ほらっ!!早く行かねーと新八っつぁんに全部食われちまうぞっ!!」
薄荷キャンディーの瞳をニカッと笑顔にして、平助君は僕の手を握って、廊下を走り出した。
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