翼を失った神童は
[9](1/25)
「まぁでも、言い訳しておくと部活の話がなかったわけじゃないんだよね」
全く詫びれることなくウィンクを飛ばす龍騎にやっぱりこいつ殴っていいかな……?と翠は思いつつ無言で内容を促す
「ストップ、一応きいとくけど私席外した方が良い?」
「いや、薫がきいたところでっていうかそんな極秘事項みたいなものじゃないしへーきだよ
ただ今日の部活男女とも無くなったから一年女子に連絡回しといてねーってくらいだから」
「あらそ。
良かったね翠、今日は生徒会の方もたいした仕事ないから呼ばれてないし放課後は自由みたいだよ」
「そうそう、よかったねー翠ちゃん
ってことで、薫。今日の放課後遊びに行かない?」
「悪いね、先約がある」
「即答!
……ボク泣いちゃうよ?」
「勝手に泣いてな、可愛い女の子たちが慰めに来てくれるように取り計らおうか?」
「いや、それはそれでしんどい」
スーパーボールが弾むような勢いで交わされる会話に圧倒される翠に向かって龍騎が
「ねぇ翠ちゃん、ボク一人くらい増えても変わらないよね?一緒に行って良い??」
と軽いノリそのもので頼んできたのに対し全力で疑問符を飛ばした。
なにせ薫と放課後に出かける予定なんかないのだ。
「……いや、私は薫さんの予定にノータッチなんですケド」
「あー、翠は部活あると思ってたから別のやつに誘われたの承諾しちゃった」
星が飛んでいきそうな薫の言葉には龍騎が反応した。
美形の真顔は怖いんだって、という誰かの意見が頭によぎるような無表情だ
「薫、その相手って安全な人間?」
「大丈夫、大丈夫。
って、あー、この間私の大丈夫は信用ならないって言われたばっかりだぁ
ま、問題ないよ。二人も知ってる人だし」
一拍遅れて龍騎は薫を心配していたらしいと察した翠は実はこの男も相当不器用なのでは?と思いはじめた
「翠ちゃんなんか失礼なこと考えてるでしょ。
まぁいーや、信用ならないって教えてあげた誰かに感謝しつつとりあえず誰か教えてくれたらだる絡みするのやめるね」
にっこり、と顔に書いた龍騎はがんとして選択権を与えないスタイルをとった
「心配はありがたいけどもほんとに問題ないって、ユウと買い物行くだけだから」
「え、ゆーきと遊ぶの?
やっぱボクも行く!!」
「テンション子供か。」
その場で悠貴に電話をかけ始めた龍騎を横目に、リュウがユウの許可得たら翠も一緒に行く?と薫が声をかけるものだから先日会った猫っ毛の青年を思い出す。
彼はあまり得意ではない。
というか第一印象を思い出す限り関わり合いになりたくないタイプだ。
- 131 -
前n[*]|[#]次n
⇒しおり挿入
⇒作品レビュー
⇒モバスペBook
[編集]
[←戻る]