翼を失った神童は
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朝ごはんと言うよりは昼ごはんに近い時間帯。
陵が作ったスクランブルエッグを焼いた食パンに挟んでかじりつく。
「あ、薫ちゃん起きたんだ〜、おーはよ〜」
2階からリズムよく降りて来たのは翠の兄、輝。
「おはようございます、昨日はご迷惑をおかけしました」
「ほんとにね〜、おかげで翠が僕のこと置いて出かけちゃったじゃんか〜
ま、ご飯代ってことでチャラにしといてあげるけどさ」
相変わらず本心が読みづらい言動で微笑む輝に対し、陵は真剣な表情で問いかけた
「なぁアキ、体温計あるか?」
「とりあえず家だから。どっかにあるとは思うよ
探してこよっか?」
「わりぃ、頼んだ」
輝が退出するなり薫は向かいに座る陵の顔をじっと観察した
「どうした?
食べきれないようなら俺が食べるし残してもいいよ?」
「いや、問題ないど……陵にぃ、ちょっと顔こっち来て」
「いや言い方ww
まいっか、こんなもん?」
適当な距離まで近づいた陵に返事をしない代わりに薫の手が伸びて陵の額に触れた
「っ……」
しばらくそのままで陵はおとなしくじっと待った
「熱、あるの?昨日の雨のせいだよね?
でも私がそんなに感じないってことはたぶん微熱だから早いうちに手を打てば大丈夫か……」
薫の平熱は35℃半ば
触れればだいたいの発熱の有無はわかる。付き合いの長い相手なら尚更。
「あったよ〜ってあれ、お取り込み中?
……って感じでもないか。はい薫ちゃん、体温計必要なのは君だからね。脇に手突っ込まれるの嫌だったら自分で測ってね〜」
「…………ん?」
「うん。そう言うことで薫、熱測ろうな?」
陵がそっと薫の手を外しながら苦笑いする。
これはこれで役得だったんだけどなぁなんて言いながら輝から受け取った体温計を薫にはさんだ
「……自分でできるけど…?」
釈然としない、といった表情の薫に
「俺がやりたいだけだからいーの
なんならこっちも食べさせてあげようか?」
「調子良すぎじゃない?陵にぃ」
「自由が欲しいなら無理しないことだね」
笑顔で陵と輝に押し切られるかたちで薫は朝食を終えた。
昨夜と同じようにリビングで
思い思いの時間を過ごしていると、ちょうど翠が帰ってきた。
「薫!
起きたんだ、調子はどう?ご飯食べた?」
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