難攻不落の水瀬くん。

[テストと問題。](1/11)


テスト1週間前。


ねぇ、三田って脳みそあるの?」


「あるわよ!」


「一回精密検査したら?」


「どこも悪くないわよ!数学が嫌いなだけ!」



本日も相変わらず、サヤカと水瀬のお勉強会が繰り広げられている。


サヤカは数学を教えて貰っているけど、なかなか理解できず、水瀬が毒を吐く。



「俺は三田が嫌いになりそう。」


「ひど!私は水瀬が嫌いになりそうよ!」



2人を見ていると、人に教えるって本当に大変だなぁと思う。


私は悠々と2人の隣で自分の勉強をしている。


水瀬の教え方は上手だけど、サヤカの苦手な気持ちもわかる。


私は数学よりも英語が苦手だから、今日も必死に単語と文法、教科書の文章を覚える。




東は英語が苦手なの?」



サヤカに問題を解かせている間に、水瀬が私のノートを見ながらそう言った。



「うん。私、日本が好きだから。」


「なにその理由。」



くすっと笑うと、水瀬は少し椅子を私の方に寄せた。



「ここと、ここの文は覚えておいた方がいいよ。」


「え、ありがとう。」


開いているページで、ポイントを教えてくれる。



なんでわかるの?」


「先生のテストの出し方のクセがなんとなくわかる。」


「すごいね。」



出し方のクセとか確かにあるんだろうけど、そんなの全然考えたことなかった。


とりあえず、学校から出されたテキストさえやっておけば平均ぐらいは取れるし。


やっぱ頭いいとそういうのまでわかるのか。






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