難攻不落の水瀬くん。
[文化祭と体育祭。](1/14)
翌日の月曜日。
私はとてつもなく憂鬱だった。
「あー…あのときの私、死ね。」
帰り際、あんな大胆行動をしてしまった。
帰ってからは水瀬から、帰宅できた?なんてLINEが入ってたけど、なんて返していいか分からず既読だけつけて返せていない。
同じクラスだし、今日は部活だってあるのに、このままじゃ水瀬の顔をまともに見られない。
「もー、そんなに思い悩むことないじゃない。」
盛大にため息をつき、項垂れる私をニヤニヤしながら見つめるサヤカ。
学校に来るなり、昨日のデートを根掘り葉掘り聞かれ、全てを知っているサヤカはとても楽しそう。
「人ごとだと思って…私はね、あんなことしちゃったの初めてなの…あぁ、死にたい。」
「いいじゃん。いつも冷静な花織が、思わず抱きしめたくなっちゃうくらい、水瀬のことが好きってことでしょ?」
あ〜!萌えるー!私も恋したーい!なんて騒ぐサヤカ。
サヤカの言ってることも一理ある、けど…
「好きって言われると、しっくりこない…好きなのかな?」
「はぁ?」
正直な気持ちを言ったら、サヤカからとんでもなく冷めた目で見られた。
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