難攻不落の水瀬くん。
[水瀬くんとデート。](1/15)
「はああああああ!?」
ゴリラのような雄叫びをあげたのは、私の友達、三田サヤカ。
水瀬とのデートについて経緯を含めて相談したところ、ゴリラになった。
「なんで!?なんでそんなことになってんの!?」
「私だってわからないよ…なんか、部活終わったら送るとか言い出して、好きって言われて、デートしよってなった。」
「急すぎて意味がわからない。」
「私もわからない。」
「…水瀬って、意外にアホ系?天然?」
教室の隅の方で友達と話している水瀬を見ながら、サヤカは言った。
「いや、でもあの難攻不落と言われた水瀬とデートに行けるって、あんたすごいよ。」
「いきなりすぎて、ドッキリなんじゃないかと思ってるよ。」
「その可能性は大いにありえる。」
「ちょ、否定して。こんな意味不明なドッキリされたら男性不信になりそう。」
「てことは、ちょっと期待してる?水瀬のこと好きなの?」
ニヤッとこちらを覗き込んだサヤカ。
「いや、好きとか正直わからない…。」
予想外のところからパンチ飛んできたみたいな感じだからね。
「でも、ドッキリだったら嫌なんでしょ?」
「まぁ…」
「てことは、少し水瀬に期待してるってことだよ。ま、デートの結果、楽しみにしてる!」
昼休みの終了を知らせるチャイムが鳴り、サヤカは立ち上がった。
そして、ニヤッと笑い心底楽しそうな顔を見せて自分の席に戻って行った。
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