磁石と私。
§[病気を告げましょう](2/11)
《海里Side》
病室というところはかなり殺風景ー…
…ではあるが私は嫌いではない。
何もないので逆に楽しい。
何も考えないでいる時間が贅沢に思える。
テレビだって見れる。
隣のおばさんはたまに話しをする。
結構楽しい。
私は1番奥の左側だからカーテンを閉めていって窓からの景色だって見れる。
そんな事を思っているとカーテンの向こうから声が聞こえた。
琴袮の声だ。
「どうぞ〜?」
そういって私はカーテンの切れ目を眺める。
そこから琴袮と刹那が入ってきた。
二人は私を見て驚きを隠せない。
私の左腕には何本もの線がくっついている。
何かよくわからない機械が私の何かを示している。
口には酸素マスクだ。
枕元の近くにある机には大量の飲み薬が置いてある。
まさか、私がこんなに弱っているのだと思ってなかったのだろう。
そんな想いに気付いていないふりをして、私はまるで自分の家に呼んだように
「いらっしゃい」
と言った。
琴袮が
「お邪魔します」
と言って笑ってみせた。
隣にいる刹那も笑って見せる。
そんな時琴袮の携帯が鳴った。
「ごめんなさい!携帯、だめだよね…!?」
琴袮は慌てて携帯を取り出し電源を切ろうとする。
それは病室で携帯は使用禁止だという常識と
私の機械に誤動作を起こしてはいけないんだという考えからだろう。
私は大丈夫だといった。
「誰から?」
刹那が何気なく琴袮に聞く。
すると意外な人の名前が聞こえた。
「山内くんー…」
ほおー。
琴祢、いつの間に…?
刹那が
「まさかっ!?」
と言い自分の口に手を当てる。
「違う違うっ!」
琴袮は携帯をもってない手の方を振った。
窓の外の景色が変わり始めたころだった。
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