ワールドエンド
―――それから数ヶ月。
順造とトキは売れる物は売り飛ばし慎ましいながらも幸せな生活を送っていた。だが不幸とは突然訪れるもので。
それはトキがヨチヨチ歩きの順造を連れて川へ洗濯にきていた時だった。川上の方からどんぶらこっこどんぶらこっこと、お皿に乗ったとても大きなケーキが流れてきた。甘党のトキは舌なめずりをする。食いたい。彼にはもはやそんな感情しかなかった。
自分の出せる最高スピードで粗末な家へと戻ると貧弱なロープを手に再び自分の出せる(以下略)で川岸に戻ると順造にロープをくくりつけ川へ浮かべる。そして器用に操り若干溺れかけているもののケーキ皿を掴んだ順造。そのまま川岸に手繰り寄せケーキ皿を岸に上げ、順造も岸にあげようとした時悲劇は起こった。
ブチ、と地味な音を立ててロープが切れた。流される順造。だが今のトキにはケーキしか見えておらず流された順造を追うことも止めたために二人は離れ離れになってしまった。
「それ完全に只のワガママだろ!」
「ケーキ食べたかったんですもん。それに後でちゃんと助けに行ったし」
「人命<ケーキなのか。最悪だな」
「全くその通りですね」
「僕初めて聞いた…グスン」
俺はふと不思議に思った。
アレ、そういやなんでコイツ卵から出てきたわけ?トキと暮らしてたはずなのに…
「なんでお前卵と化してたわけ?」
「結局岸に打ち上げられた僕を拾ったのが魔女さんで、そんで呪いかけられて卵になったんだ」
「少しばかり私の到着が遅かったばかりにこんなことに」
トキは悔しそうな表情で握り拳握ってるけど元々はお前のせいじゃね―か。
「ちなみに遅れて登場した僕は順造様の元にワープする時にゲロを通してという呪いをかけられてしまったのです」
「ハハハ、超自業自得」
「これマジ臭いですからね」
「僕に対して酷くね?」
結局二人のペースに飲み込まれて俺んちに居候することになってしまった。先が思いやられるが心配しても仕方ない。とりあえず、掃除だ。
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