ワールドエンド
嘔吐物は更に激しくうごめき、やがてテレビから這って出てくる貞子のごとくゲロから黒髪の男が這って出てきた。
ホラーか、ホラーなのかコレ
気持ち悪いほど様々に形を変えていきながら、そいつがだんだんどんな容姿をしているのかわかり始めた。
色白な肌に漆黒の艶やかな髪、そして切れ長の二重目蓋に筋の通った鼻。女の子達が騒ぎそうな、所謂イケメンであった。
「順造様、お久しぶりです!遅ればせながら到着致しました。世話係のトキに御座います。」
燕尾服姿のイケメンは瞳を閉じて恭しくお辞儀をした後口元に弧を描いて上品な微笑みを浮かべる。黒髪がサラリと揺れた。
額に浮かぶ汗が全く爽やかじゃない
「これはこれは順造様を蘇えらせて下さった若き勇者…いえ、姫ですね?」
「何で今言い直したのさ」
「冗談の上手いお方ですね。このようにうら若き乙女が男性なはずが」
「普通にあるわ!」
俺が女顔なのはもともと知っていたけど何だコイツ。しかもちょっと顔赤らめてんのがキモイんたが。そして臭いんだけど。
「お前世話係とか言ったな。んじゃさっさとコイツを連れて帰れ」
「なんと!美しいお嬢様がそのような暴言を吐くとは世話係と言えども許しませんよ」
「んだよ俺は男っつってんだろ」
「可愛いから何だっていいです」
コイツ馬鹿だ。うすうす感づいてはいたけど完全に馬鹿だ。いや変態か?そしてその生ぬるい視線をどうにかしろ。俺は鳥肌がたつのを覚えた。
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