武神の右腕2


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 ◎ 第二話 帰郷とは波乱の幕開け





―――日本 早朝


初春の日本の朝ははまだ寒さがのこり そんな中にあっても木々は生い茂りそして実をむすぶ。


このあたりには桜のつぼみも多く見られ とても満開の時が楽しみである。



「ハルッ!! すごいぞ! 息が白い……」


静かな朝にとても似合わない 大きな声でエレナはいった。


「エレナ先輩も そんなはしゃぐことがあるんですね」


これは本当に驚きだった。
何にでも冷静沈着で 驚かないようなエレナがいま 子供のようにはしゃいでいるのだ。


「………どういう意味だ 私だって人間だぞ」

「それはそうですけど なんかはしゃいでると女の子みたいですよ?」

「……私が女じゃないみたいな言い方だな」


じとめでハルを凝視する。



今 ハル達は学園長の命により荷物をとりにきている。

あの日の次の朝に 学園をでていまハルの故郷に戻ってきていた。

出るときに 他の隊員たちに連絡したのだがナターシャだけに連絡がつかなかったのが心残りではあるが よく考えるとまだ謝っていなかったためしょうがない。

あと リリース先輩がついてこようとするのを振り切るのが大変だった。



「おおっ 直ってるじゃないか!!」


エレナはハルが頑張って説明しているのにもかかわらず 勝手にあるいていっていた。

いまエレナが見ているのはかつて ハルの通っていた学校である。

確か 完全に崩壊したはずなのにいまではすっかりもとどうりになり 生徒も多く見受けられる。


「……学校か」

つい口から漏れ出てしまう。

とても懐かしい場所

全てが始まった場所


もうもどれないであろう場所である。


「……後悔しているか? こちら側に来たことを」

「後悔はしていません。でも 心残りがないかといわれれば否定はできません。それに……」


もしいっていなければエレナ先輩やたくさんのかけがえのない友人達に会うことが出来なかった。


「エレナ先輩にあって 自分の生きる意味を生きる道をおしえてもらいましたから、もう 前の自分に戻りたくはありません」



「………そうか」


エレナまた校舎とグランド そこで運動している学生達をみる。


「………私がかえてしまったのか」


小さく呟いた。








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