page: memo:00/00/00 ◎ 第一話 取り戻した日常 「おいっ!! 起きろよ!!いつまで寝てんだよ!!」 清々しく晴れ渡った朝に大声が響き渡るそんな平和な一日がまた始まろうとしていた。 (ん? 誰だよ……うるさいな……) 怒鳴られた少年は嫌そうに 寝返りをうち耳をふさいだ。 それをみてさらにイライラがましたのか、まだ寝ようとしている少年の布団をはぎ取ってしまう。 「早く起きろ!! おまえな……やっと帰ってきてこれかよ」 ブルッと体を震わせて 少年……ハル=アカヤマはしぶしぶ体を起こし 早々に文句をいった。 「おまえな……春だっていっても まだ寒いんだぞ!」 四月だが季節的にはやっと春に入るかというぐらいで朝はとても冷え込むのだ。 「せっかく起こしてやったのになんだその態度は!!」 「まあまあ…… ハルも疲れてるんだから もう少し優しくしてあげようよ!エリック」 さっきから怒鳴っていた少年……エリックはピクッと反応して次は仲裁しようとした自分の半分ぐらいの身長の少年の方をむく。 「ミックまでハルの味方かよ!!」 「別に味方とかそんなんじゃないよ」 「大体な 何でお前がここにいるんだよ!!」 「しょうがない 僕の寮の部屋はいつの間にか他の人が使ってたんだからね」 ハルはいきなり優しい 諭すような口調でいう。 そう………帰ってきたハルを一番驚かしたこと…それはいつの間にかハルは死亡扱いになっており 部屋にあった荷物もその部屋自体も無くなっていたのだ。 幸いに荷物は実家にあるらしく無事であった。 だが……… 「部屋はどうしようもないよ。いま生徒会長がさがしてるっていってたしさ」 「そうだぞ。細かいことであんまりギャーギャーいわないほうがいい女の子に嫌われるぞ?」 ハルは指を立てていい。そのまま立ち上がりミックの用意した朝食を食べ始める。 「ちっ! モテる男はちがうってか?」 エリックもまた朝食をとるために食卓につく。 「………? 僕のどこがモテてるんだ?」 |