勝手に宣伝する男
[サザエさんの一巻編](1/1)
勝手に宣伝シリーズその12


[サザエさんの一巻]


みちこは、最近なぜか落ち込んでた。生まれた時から、お金に苦労はしたことがない。


資産家の父がなんでも買ってくれた。


みんな、高い腕時計やネックレス、宝石をしているだけで、チヤホヤしてくれた。


持ってるだけで、すごいと思われる、そんなものばかりを集め、事実、みちこはチヤホヤされてきた。現在、26歳。器量も悪くない。

でも、なぜか、最近、どんな宝石を買っても、虚しくなるのだ。


その時、飼い猫のビビアンがすぅと寄り添ってきた。



「悩んでるねえ」

みちこはギョッとした。


「も、もしかして、ビビアン?あ、あなた、お話できるの?」
「そうさ。いつもは喋らないけどね。持ってるだけで、すごいと思われるもの、それは、宝石なんかじゃないってこと、今回はどうしても教えてあげたくて、お話してるんだよ」
「そ、それは、もしかして、心の美しさ?」
「違うよ。サザエさんの一巻さ」



持ってるだけでチヤホヤされるもの、それは宝石だけじゃない。



サザエさんの一巻もそうなのだ。


みちこは、全てを理解した。

「ありがとう、ビビアン。サザエさんの一巻を手に入れれば、チヤホヤされるのね!」
「ニャー、ニャー」
「あら、戻っちゃった」


サザエさんの一巻には、きっと、絵が最初のほうだから、下手だったり、色々あるのだろう。読まなくてもいい。なんなら、読まないほうが保存状態が良くなるからよりいい!



これを読んでるみなさんも、手に入れよう!




今回の商品


サザエさんの一巻


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