勝手に宣伝する男
[遮眼子編](1/1)
勝手に宣伝シリーズその10


[視力検査の時に使うスプーン 遮眼子]


「運転免許がほしいなら、視力検査をきちんとしてから来いよ!ここは、テメーのような目の悪い奴が来る自動車教習所じゃねえ!」
そう言うと、男は、太郎を建物の外に蹴り飛ばした。

そして、太郎の持っていた荷物を太郎の顔面めがけて、投げつけた。


「く!くそぉ!なんて横暴な自動車教習所なんだ!」

太郎は悔しさで涙を流した。


視力検査って、教習所で、やってくれるのが普通なんじゃねえのか。

で、でも、どうしても車は必要だ。



3日後、視力検査をしてから、太郎は再び自動車教習所を訪れた。


「どうだ?視力検査してきたぞ!0.8だ!これなら、大丈夫だろう!」


男は鼻で笑って答えた。

「この検査は無効だ!なぜなら、遮眼子を使ってないからだ!カレー用のスプーンみたいなやつでやっただろ!視力検査は、絶対に、それ専用の遮眼子という名前の、それ専用のスプーンを使わないといけないのだ!そして、ちゃんと、それ専用のやつで、検査しましたよという意味のハンコを押してもらわないといけないのだ!ちなみにこの、ハンコは、なんでもいい。芋のハンコでもいい!100均で売ってるようなスタンプでもいい!だが、視力検査用のやつは、絶対、それ専用のやつでしか無効なのだ!」
「な、なんだって!!く、くそぉ!や、やり直してくるよ!」
「もう遅い。お前には死んでもらう」
「な、なんで?!や、やめろ!」



銃声とともに、太郎の白いカッターシャツが赤く染まった。


「く、く、遮眼子さえあれば…」


今回の商品

“命を落とさずにすんだ、遮眼子”

432円 東急ハンズにて販売中。

















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