少年ルシは夢を見る
[出会い](1/5)
「はぁ…はぁ…」
路地。裕福ではないその布の服を着て、頭巾のようかものを被った男が手に何かを持ち走っていた。
「待て!盗人め」
そう言われたが勿論待つわけも無く、何度か道を曲がることにより相手を撒く事に成功した。
そのまま布を捨て去りどこかに歩いていく。地面は煉瓦のようなものになっていてコツコツと音がなる。
人気のない場所に来ると辺りを二、三度見回し壁を叩く
コンコンっ
「俺だよ」
……?
反応がない。いつもはこれででてくるはずなのに
どこまでも髪が生えぼさぼさになった男の年齢は16歳程だろう。盗みを繰り返し命を繋いできた。そしてその男には妹がいた
壁を横に触ると壁がドアのように開いていく。
「……いないのか?」
その狭い店と外との壁の間に居座る二人の部屋…そこに向かって足を進める
「っ!!!」
男が4人。全員大人。…それだけじゃない、妹が…妹が男達の目の前で倒れていた。怪我はしていない
「俺の妹に何をしてる!!」
「何って……君の妹が泥棒をしたんだよ。うちの店の食べ物のね。んで今回はわざと見逃して追跡してみたわけよ」
ぴくっ
「お…にいちゃん」
生きている。妹が
そう思った瞬間 大人の男はファルの口に向かって手を突っ込んだ。ファルは怯えている
「見馴れは不衛生だが、整えれば良いかもしれないなぁ」
そういって妹と相対的に兄を見つめニヤつく
ゴンっ
鉄パイプが顔面に叩きつけられ男は背後に倒れる
「おいガキ!なにしてんだ!」
「ガキじゃねぇ!ルシだ。クソ野郎どもが!!俺にだって妹のファルにだって名前があるんだよ!人生があるんだよ!大人にはわからないんだ」
ルシ「俺の妹に手を出すな!!」
男3人が剣を抜く
「おい、その女にさっきの続きをさせろ。見せてやろうぜ」
ルシが怒りをぶつけるかのように男に向かって鉄パイプを振り回す
さっきの続きという言葉が頭に響く
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