幼なじみ
[祐士への恋心に気づいた日](1/6)
翔馬は、ずっと弟みたいな存在だ。
でもアタシは、祐士のことを兄のように思ったことは1度もなかった。
祐士とは対等でいたくて、いつからか、祐士のことを呼び捨てするようになってた。
両親から『祐士くんはお兄ちゃんなんだから、呼び捨てはダメ』だと言われても。
祐士、あの女の子と付き合うことにしたのかな。
悶々とするより、訊きに行こう。
アタシはいつものように、原野家の玄関のドアを『こんにちは』と開け、『お邪魔します。』と言って家に上がり、階段を駆け上がって、ノックもせず、祐士の部屋のドアを開けた。
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