私、監禁されました。
[no.14](1/1)


5限目の数学。


お昼を食べた後で、お腹もいっぱいで ちょうど眠たくなる時間帯。


その上、呪文のような数学の公式を並べられたら、寝てくださいと言ってるようなもの。


いくら、神谷先生の授業だからといって、眠気には抗えない。


周りを見ても、頭が揺れている生徒が多い。


司に至っては、机にうつ伏せてて、もう熟睡中だろう。


私も……


そう思って、目を閉じた時、


「回ってくから、分からないとこあったら、言えよ。」


先生の声が遠くから聞こえてきた。


教室内を歩く先生の足音が聞こえてくる。


たまに、バシッと教科書で頭を叩かれる音も。


「寝てんなよ。」

「ってー」


あ、司の声…


怒られてる。


目を閉じながら、耳で先生の足音を辿りつつ、起きてるフリをする。


バレないように…


だけど、


「ここが分からない?」


フワッと甘い香りと私と同じシャンプーの香り…


そっと、先生の手が私の手に触れて、目を開ければ、すぐ横に先生の顔が。


っ!


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