「あー‥あのさ、」
あれから、一週間が過ぎた。
奏介の帰りが早くなった。
メールランプが光るのに気付く度に、わたしの前でそれを開くのが日課になった。
「何?」
言いづらそうに視線を玩具で遊ぶ美晴へと移す奏介、胸の前で腕を組むその仕草は、困った時の癖だ。
「怒んなよ?」
「怒られるような事なの?」
先程まで美晴と遊んでいた幸せな気持ちが急降下して行く。
「来月、社員旅行あるんだって。」
「行ってくればいいじゃない。なんで、それが怒る事なの?」
精一杯の強がりで、笑顔を作った。
言いづらそうにしてた奏介でわかってる。
歩ちゃんも来るんだよね?
だけど、もう、その事に触れたくなかった。
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