楽園の探求者
[1、〈大地の一族〉](1/5)
それは神が好奇心から、自然界を弄んだ時代。
自然界が怒り狂い、天使が離れた時代。
天使が仕事を放棄し、悪魔が地上に現れた時代。
悪魔が笑みを浮かべながら、運命を傍観する時代。
運命が人々に諦めを囁く時代。
これは、人々が絶望の虜となった時代の物語である。
――『セルーナの誓い』
わたしたちは運命と出会いながら生き続ける。
時には理不尽に出会い、希望を打ち砕かれる。
わたしたちと〈異界の存在〉の遭遇もまた、その理不尽の一つだ。
〈異界の存在〉は当時繁栄を極めた都市カールマ・アロンを破壊し、瓦礫を積み上げ、人々を不気味な異界へ投げ込んだ。
人々は彼らを〈故郷を奪う者〉トゥダランと呼んだ。
トゥダランに怯える日々を過ごし、生の価値は死までの時間と等しいものでしかなかった。
だが、それでも希望は捨てない。
わたしたちは新天地を探し出すと誓った。
人々はわたしたちをこう呼ぶ。
〈大地の一族〉と。
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