彼女……鈴原 空音の名前を知った翌日、彼女のクラスを訪ねてみる事にした。本当は、昨日訪ねようと思ったんだけど……まぁ、チキりました。
昨日ちゃんと決心して、彼女のクラスを訪ねてみたは良いんだけど……な、何て呼べばいいんだろ……
「あれ?生徒会長さんじゃないですか。うちのクラスに何か御用ですか?」
すると、このクラスの生徒らしい男子生徒が声を掛けて来た。俺がクラスの前でウロウロしているから声を掛けてきたんだろうな…ありがとう。
和也「あ、うん。そうなんだ。鈴原 空音さんっているかな?」
めっちゃ動揺したけれど、あくまで冷静に、生徒会長らしく聞いた。……生徒会長らしくってなんだろ。
「あ、鈴原さんですか。いますよー」
彼はそう言うと、教室に頭だけ入れて、大きな声で言った。
「鈴原さんー先輩が呼んでるよー?」
そう言うと、1人の女子生徒が彼にお礼を言ってから、おどおどと出てきた。彼女だ。
和也「君が鈴原さんかな?」
空音「はい…そ、そうですけど……」
俺を見上げて、何か考える様にそう言う。あー…どっかで見た事ある気がするって思われてるのか。
和也「自己紹介が遅れました。俺は生徒会長の豊浦 和也です」
自己紹介をすると、思い出した様に鈴原さんは表情を変えて声を出した。
空音「は、はぁ……しょ、んん。そ、それで。私に何か様ですか?」
めっちゃ噛んでる……え、ネオでは想像出来ないくらいに可愛いんだけど……
和也「ええ、ちょっと。生徒会室まで良いですか?」
でも、あくまで、あくまで冷静に微笑んで、そう言う。本当は心臓がうるさくて少しつらいくらい。
鈴原さんの表情を見てみると、さっきともう変わってて、何かしたっけ?と、焦るような表情を見せている。表情がころころ変わる子だなぁ……まさか彼女になるだなんて思ってなかったけど。
あ、また表情変わった。みんなに見られてるのに気付いたのか。
空音「ひゃ、ひゃい!」
和也「ありがとう。それじゃあ……」
また噛んでいる鈴原さんに少し微笑みながら、俺は、生徒会室へ案内した。
さぁ、ここからが勝負だ。