Sevens外伝〈2〉〜空の音と穏やかな鎖〜
[私の出会い](1/7)






あの日から、ストレスが溜まればすぐに解禁区で発散するようになった。ストレスが無くなったからか、笑顔が多くなって、友達とはまだ言えないけど、人と話すことも少し多くなってきた。

解禁区で暴れ回っていたからか、異名が『駆け巡る音無き鈴』に変わってたけど、それも忍者みたいで何かカッコイイから気にしない。

少しずつだけど、充実して来たそんなある日、教室に1人の先輩が現れた。


「鈴原さんー先輩が呼んでるよー?」


先輩?私先輩の知り合いなんていないんだけど……

教えてくれた男の子にお礼を言って、ドアの方へ行く。そこには、私の頭1個と半分くらい身長が高い男子生徒が立っていた。


?「君が鈴原さんかな?」

空音「はい…そ、そうですけど……」


この人どっかで見たことあるな……あ、わかった。この人うちの生徒会長だ。入学してずっと学年トップだって隣の席の子が言ってた(盗み聞き)。3年生の、えっと……


?「自己紹介が遅れました。俺は生徒会長の豊浦 和也です」


あ、そうそう。豊浦 和也先輩だ。この時は、まさか私の彼氏になるだなんて思ってなかったなぁ……


空音「は、はぁ……しょ、んん。そ、それで。私に何か様ですか?」


緊張しすぎて怒ってるみたいな言い方になっちゃった……同級生との会話は少し慣れたけど、先輩はまだ怖いな…


和也「ええ、ちょっと。生徒会室まで良いですか?」


ふぇぇ!?な、何かしたかな……

そんな事を思いながら、クラスの人の視線に気付く。此処で見られるくらいなら行った方がマシだよ!


空音「ひゃ、ひゃい!」

和也「ありがとう。それじゃあ……」


豊浦先輩は微笑んでから、生徒会室に向かった。私は顔を真っ赤にしながら付いていく。

これが、私を優しく縛ってくれる、鎖を使う王子様との出会いでした。



- 19 -

前n[*][#]次n
/58 n

⇒しおり挿入


[編集]

[←戻る]