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それは高校2年の春のことでした。
新しいクラスにも慣れはじめ
相変わらず勉強にはついていけないけれど
なかなか充実した毎日を送っていて。
大好きな友達もいて優しい彼氏もいる。
去年の今頃は、
志望校に落ちて通うことになったこの学校に
青春なんて期待していなかったんだけど…。
今は落ちて良かったって
この学校に通えて良かったって思うの。
「椿姫(つばき)!」
校門の前には朝から元気な彼氏
千空(ちから)が笑って手を振ってる。
「今日も早いなー、負けちゃった」
みるみる自分の顔が緩んでくのがわかる。
千空を見ると安心するからなのか
私は気が緩んでしまうのだ。
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