医学部をやめた
[地獄沼](1/6)
僕はニートになった。
親や親戚、近所の人達、中学高校時代の恩師らの期待を背負って道を進んだ先
夢目前で逃げ出したのだから
当然の結果ではないだろうか。
世間に見せる顔がない。
誰も僕を見ないでくれ。
認識しないでくれ、忘れてくれ!
「あいつ失神したらしいぜ」
「まじかよウケる」
「無駄に意識高かったのにな」
狭い医学部にも存在する小さいスクールカーストの上位のイキり集団が笑っていた声が
いつまでも頭に残っている。
合コン漬けで遊び呆けたアイツらは容易く実習をこなして、
今も順調に医師への道を進んでいる。
大体そうだ
何だかんだ遊んでいるヤツらが得をする。
生真面目に勉強していた僕は
何も悪いことはしていないのに転落した。
全く不公平である。
- 3 -
前n[*]|[#]次n
⇒しおり挿入
⇒作品?レビュー
⇒モバスペ?Book?
[編集]
[←戻る]