忘れられた囚人と看守
[第1章 日常](12/12)
この服装は…あの男と同じ服装…。
この場所にいる人間を皆殺しにした…あの男と同じ…。
「な、何で…?」
俺は状況が訳が分からなかった。
とりあえず恐怖で膝がガクガク震えているのだけは分かった。
「ははっ!!俺の姿を見た途端に震えてんじゃねーよ!!安心しろ。適任者のお前には手を出すなと言われている。ここを襲撃したヤツは俺より下っ端でな。時間がきたらすぐに帰らないといけないんだ。でも俺は違う。自由に行動する事を許されてるんだ。…俺の言っている意味が解るか?」
意味など理解できるはずがなかった。
俺に手出しはしないと言っているが、あの襲撃犯の仲間なのだから信用できるわけがない。
「じ、じゃあ何でお前はここに来たんだ!!」
「俺が何しに来たかって?それじゃあ、さっきの答えも兼ねて…。」
ガチャリ。
男は何もしていない。
手も足も動かしていない。
しかし、さっきのガチャリと鳴った音は間違いない、鍵が開いた音だ。
「…?」
「ほーら。これが答えだ。」
男は笑顔でそう言った。
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