い じ わ る 彼 氏
08[______入学式](1/31)
「…絵美、話がある」
『…?どうしたの?』
私がそう言うと、青木は下を向きながら近づいてくる。
………?
近くで見て、ようやくわかった。
青木…
顔真っ赤………
すごい真っ赤な顔をしている青木を見て、こっちまで顔が赤くなりそう…
すると、青木は私の左手をとって、薬指に何かを通す。
ま、まさか…
これって…………
「……結婚しよっか、絵美…」
け、けけけけけ結婚!?
プシュー…
体の熱が、すべて顔から出た気がした…
「絵美!?」
私は目の前が真っ白になって
「絵美!絵美!」
遠くから、青木が私を呼ぶ声が聞こえる…
……青木の、青木の声…
「絵美!あんたいつまで寝てんの!?入学式遅刻する気!?」
『………はひ…?』
目を開ければ、見覚えのある机、壁、カーペット…
あ、あれ…?
青木は…?
『私の部屋…』
「当たり前でしょ?なんか夢見てたの?よだれ垂らしながら、にやけてたけど」
夢……
『ぇえ!?』
…さっきの夢……か。
は、恥ずかしい…!!
「うるさい。いいから早く起きて、朝ご飯食べてよ」
そういって、母さんは1階へと降りて行った。
夢の中では青木だった人は、母さん…?
『嘘やーん…』
夢であるショックさと
あんな妄想抜群な夢を見た恥ずかしさに、自分が痛すぎて、ベッドから転がり落ちた。
『………どんだけ青木に惚れてんだ…』
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