私の執事はかなり優秀だ
[プロローグ](1/1)
「皆、ありがとう…」
最後の言葉は感謝の言葉にするのだと、
ずっと昔から決めていた。
春の匂いがした。
遠くに見える線路の脇には桜が咲いており、
近くの交差点では小学生達が手を上げながら渡っていった。
カラフルな背中を見ながら私にもあんな頃があったのかと思い出した。悩みなんてその頃は無かった。
どこへでも飛べる気がしていた。
空がとても綺麗で、
何故か私も 今日は空を飛べる気がした。
春は自ら命を絶つ人が増えるらしい。
しかし季節に限らず、この国は毎月
1000人以上の人が彼方側の世界へ行くのだそう。
私も…
もう何もかも終わりにしよう。
29階から飛んだ瞬間、私の脳裏によぎったのは
やっぱり"あの人"だった…
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「じゃあ、好きなタイプは?」
「え〜?……笑顔が 素敵な人かな」
「普通すぎ。てかそれ俺じゃん」
「それ…言っていいんですか?」
「…」
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