手と手と手
[右手](1/6)
帰り道
私の右にはいつも君
他愛もない話をしながら
二人で歩く

家までこのままならいいのだが
待っているのは3本の分かれ道
彼は右の道
私は左の道を進んでいく
真ん中を歩いていけたらいいのにな

「じゃあまたね」
「うん。また明日」

最初のころは分かれ道も
寂しく感じた
今はそうでもない
私は下っていく道だが
彼は上がっていく道なので
遠くに彼が見えるから
それに気づいてからは
寂しくなくて見えるだけで
安心すらしてしまう
彼も最初は気づいていないのかと
思っていたのだが
私よりも先に気づいていたらしい



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