I hear your voice
[Encounter with a heterogeneous people](1/9)




"…リ……スグリ……"






始まった…。


また誰かが俺の名前を呼ぶ。





"スグリ……早く来てよ…"





どこか淋しそうに俺に話しかけてくる。

幼い子の声……





"…僕たち、待ってるから……

ずっとずっとスグリの事…

待ってるからね……"





応えようにも、俺は声が出せない。

声の主に応えられない。





"また…一緒に……

会いたいよ…スグリ……"





声は段々小さくなり、そして聞こえなくなる…


最後はとても苦しそうに…悲しそうに俺の名前を呼ぶんだ。




いつもそうだ。




真っ暗闇の中、俺の脳内に直接こいつは話しかけてくる。


夢とはまたどこか違った感じのもの…




この声を聞くたびに、胸が締め付けられる。


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