浅葱色を求めて…
正体 ( 1 /16)



「ちゃうお前は千夜や。」

「そうだよ?
私は千夜。
だから言ってるでしょ?
椿は利用するって

頭を抱えた山崎……

「利用って……
椿……幕府の人間やぞ?」

「そうだね〜
丞だって元は

幕府の人間でしょうが

「それは過去や!」

「私だって過去でしょ?」

「意味がちゃうやん
何言うてるかわかっとるか?」

コテンッと頭を傾ける千夜……

「幕府は今頂点におんねん

「だから何?
頂点にいる幕府は
後は落ちるだけだよ?」

確かにもう登る場所は無いが……

「将軍様がおるねん。」

「いえもち君なら仲良くなったよ?」

ーーいえもち君って……

「はぁ?
お前なにしとんねん!
いえもち君って将軍やろ! ?」
様つけろ!様を

「なにって……
ちょっと名前使って、
御所に行ってみたんだけど?」
様つける必要ある?


さらに頭を抱える山崎……

「もう寝ろ!
お前は、芹沢殺して
気が滅入っとる事なってんねん!」

…………

いきなり静かになった千夜
辛いに決まっている
だからこそ
未来を変えたいのだ
これ以上大事な人を

失わないために……



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