浅葱色を求めて…
記憶 ( 1 /27)



真っ白な世界……

何も無い白だけの世界……

此処が何なのか……
あたりを見渡してもわからない……

何故私は洋服を着ているのか……
白いワンピースなんか…私は持ってない…

女の子の格好に抵抗を感じる……

怖い……
死に行く人が見る幻なのかな?……

初めて生きたいと思った……
死ぬのが怖いと初めて感じた……
失いたくない……

フワフワ浮かぶ黒いモノ……
さっきまでなかったその異様な黒……

目で追っても何かは、わからない……

触ってみようか?と思ったが……
手が拒絶する……

触りたくないと……触れてはダメだと言わん限りに……

そして気づく
その黒が徐々に、白い世界を染め上げている事に……

真っ白の世界が黒く変わりだす……


”白が生を……黒が死を……”

「誰?」

何もなかった筈の世界……
確かに感じる人の気配に私は声を出す……

人らしきモノが見えた瞬間


グニャリと黒が形を変え、私を襲う……

怖くて目を閉じた瞬間……
私は黒に捕まった……

霧の様な黒が私の身体の自由を奪う……

支える事が出来ずその場に崩れ落ちる


そういえば……
身体に傷がないと倒れた状態で気づく私は
どこまで緊張感がないのか……

でも傷はないが微かに感じる痛み……

間違いない、私はまだ
よっちゃん達が居る世界にちゃんと居る…

だったらここは、夢か幻……

まぁ、死の狭間かもしれないけど……


















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