記憶 (
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真っ白な世界……
何も無い白だけの世界……
此処が何なのか……
あたりを見渡してもわからない……
何故私は洋服を着ているのか……
白いワンピースなんか…私は持ってない…
女の子の格好に抵抗を感じる……
怖い……
死に行く人が見る幻なのかな?……
初めて生きたいと思った……
死ぬのが怖いと初めて感じた……
失いたくない……
フワフワ浮かぶ黒いモノ……
さっきまでなかったその異様な黒……
目で追っても何かは、わからない……
触ってみようか?と思ったが……
手が拒絶する……
触りたくないと……触れてはダメだと言わん限りに……
そして気づく
その黒が徐々に、白い世界を染め上げている事に……
真っ白の世界が黒く変わりだす……
”白が生を……黒が死を……”
「誰?」
何もなかった筈の世界……
確かに感じる人の気配に私は声を出す……
人らしきモノが見えた瞬間
グニャリと黒が形を変え、私を襲う……
怖くて目を閉じた瞬間……
私は黒に捕まった……
霧の様な黒が私の身体の自由を奪う……
支える事が出来ずその場に崩れ落ちる
そういえば……
身体に傷がないと倒れた状態で気づく私は
どこまで緊張感がないのか……
でも傷はないが微かに感じる痛み……
間違いない、私はまだ
よっちゃん達が居る世界にちゃんと居る…
だったらここは、夢か幻……
まぁ、死の狭間かもしれないけど……
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