星に願いを
★[高校時代・成就編](1/249)
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梅雨に入った。
毎日毎日毎日………雨雨雨……ばかりで嫌になる。
今年の雨は集中豪雨が多いせいかグランドはべちゃべちゃで、とても練習出来る状態でないから練習場所が三階の廊下になっていた。
体育館を使えるものなら使いたいとこだけど、そこはバスケ部やバレーボール部のテリトリーでとても入り込める余地はない。
普段、野外活動の陸上部やサッカー部も空いた教室や廊下を使っていた。
「んじゃ、三階までダッシュな。」
三島が言うと橋口がそれに答えて、
「せっかくだからタイム録らねぇ?面白そうだし。みすず、タイム録ってよ。」
と提案をする。
「……ハイハイ。」
名前で呼ばれた瀬戸はあまり嬉しそうな顔をしてないように見えるが。
俺は『橋口が振られる方に3000点。』と誰に言うまでもなく胸の中で呟やいた。
「んじゃあ、一年から二人づつな。
ヨーイ、……パンッ!」
三島の手の合図に先に一年生から階段をキュッと床を鳴らしてかけ上がっていく。
「山田は俺と競争な。」
「いいよ。コンパスの差があるけどハンデいる?」
「いるかよ!足の長さが決め手じゃねぇっつーの!」
むきになる橋口を鼻で笑って、スタート位置の踊り場に並んで立つ。
「いいか?──よぉ〜い……ッハイ!」
パンッ!
三島の拍手を合図に俺達はお互いをへし合うようにダッシュした。
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