欲しい言葉があるの。
第2章
兎は走るのが苦手
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鬱陶しいと思った。
桜の花が風に乗って舞い上がって。
それが昼寝の邪魔をするから。
だけどその声は−−‥
『春の雪みたいだねっ』
下を見れば、
そのヒラヒラとした花びらを、ピョンピョンと小さく飛び跳ねながら、必死に掴もうとしているやつが居たんだ。
“兎は走るのが苦手”
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