私が消えたい3つ目の理由(1/23)
「そういえばさ、ゆうちゃん明日、記念日だよね!」
杏奈の話から一転、恋愛話になる。
ゆうちゃんは彼氏持ちで、明日で四ヶ月になるらしい。
「えへへ〜!そうだよ〜!!」
「やっぱ明日はデートとか行くの?」
「もちろんっ!!でもどこ行くとかは言われてないから、楽しみなんだよね〜!!」
ゆうちゃんの言葉に、ヒューヒューとはやしたてるみんな。
その様子にまんざらでもない、ゆうちゃん。
でも、こういう展開になると必ずーー…
「…ねえ、麻有たちって今、何ヶ月?」
ーーー…ほら、
話の矛先が、私にやってくるーー…
私抜きで盛り上がれば、悲しいだなんて思うくせに、いざ自分に話が回ってくると…やめてくれ、だなんて思ってしまうーー…
そんな矛盾だらけの自分にも嫌気が差すーー…
「あーー…えっと……
次の金曜日で、一年二ヶ月かな…」
一生懸命に発した言葉に、みんな、すご!と言って私の顔をまじまじと見つめる。
「麻有たちは長いよね〜私たちも早く一年いきたいなあ〜」
「隆太くんと、最近どうなの?いい感じ?」
この、川のように流れる展開の早い会話も…
私は苦手ーーー…
「…うん!いたって普通だよ!順調…かなっ」
「へぇ〜…!いいねえ!」
恋愛話、も
昔の私だったら、きっともっと楽しそうに、嬉しそうに…
ゆうちゃんみたいに惚気なんて入れながら、話していたんだろうな…
いつからなんだろう。
こんなに、どんな話も気を遣うようになってしまったのはーー…
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