拾われた彼

§[構って………](1/6)


家に帰ってからも私は必死に勉強をした。


負けず嫌いなものでして…



「菊世〜トランプしよ〜」

「………」

「菊世〜アイス買いに行こ〜」

「………」



ってな感じでいましたら。




「ごめんってば樹紀〜…」

「………」



樹紀、拗ねちゃいました。

部屋の隅で体育座りしてます。



「トランプ?アイス?」

「………もういい。」

「樹紀〜…」



ご機嫌斜めの前に私もしゃがみ込む。

プイっと視線を外して樹紀は言った。



「………今から俺の言う事で嫌いにならない?」

「うん」


「………俺、妬いちゃった。」


え?


「いつの間にか水橋って奴と仲いいみたいだし…
水橋に負けたからって勉強、頑張るし……」



なにそれ…可愛い…



「樹紀のバーカ」

そう言って体育座りで小さくなってる樹紀を横から抱きしめた。



「私だって、いっぱい樹紀に妬いたんだから。
皆なれなれしく話すし…不安だったんだから……」


樹紀は黙ったまま。


「でも樹紀、昔に私が言った事覚えててくれて…
お喋りしなかったのみて嬉しかったよ?
ありがと。樹紀。」


宥めるかのように優しく私は話した。
今、自分の腕の中に愛しい人がいる。

その事実が嬉しかった。



「……樹紀、キスしよ。」


耳元で囁いてみるとほのかに樹紀の顔が赤くなった。



何も言わない、視線もあわしてくれない樹紀の唇に軽く触れた。



「ねぇ樹紀。まだ怒ってる?」

「………」

「何も言わないならまたキスしちゃうぞ?」

「……じゃあ黙っとく」


さっき喋ったのでもうしません。
とはなんだか惜しく思ってまた唇を寄せた。


すると樹紀の唇が動いた。


わざとリップ音がならされながら離れてはくっつく2つの唇。



最中、何度も私は樹紀の名前を呼んだ。

好きで好きでたまらないの。
その思いをキスにのせた。



「甘い…菊世……あまっ……」

樹紀がそう言うと視線があった。
優しく微笑んでくれる樹紀。



「ごめんね?樹紀…
もうほったらかしにしないよ?」


「うん…」

そう樹紀が返事をすると私の体は持ち上がった。



「い、樹紀っ!!?」

私の問い掛けにも答えず部屋の電気を消す樹紀は……


私をお姫様だっこしていた。






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