拾われた彼

§[樹紀の正体](1/2)


そう思った日から1週間経つとお姉ちゃんが久しぶりに帰ってきた。



「久しぶり菊世ー!!!」

そう騒がしくお姉ちゃんは朝の5時に帰ってきた。


「だから静かに報告を……」



……こんなの、以前もあったな…


あの時いた樹紀がいなくなってから1ヶ月。

もう冬本番です。



「樹紀くん、帰ったのか…」

お姉ちゃんがそう寂しそうに言った。


うん。
帰ったよ。


樹紀にとったら、その方がいいよね…
そう思ってた。




「あのね、菊世。
私の勤めてる清鴎会社、知ってる?」


「知ってるもなにも…
逆に知らない人はいないでしょ…?」





「……倒産するかも」



……え…………?



「ちょっと待って!?
倒産って!?
じゃあ、私達どうなるの!?」



全て終わるの?

両親を失い、姉は職を失い……



樹紀を失い………




神様は意地悪だ。
私から大切なものを失うばかり。


お姉ちゃんは言った。




「でも、大丈夫よ…。

……樹紀くんなら。」




「……なんでそこで樹紀が出てくるのよ…」






「だって、樹紀くんが継ぐんだもの。

それに、勝手に社長が倒産するんだぁーって泣き叫んでるだけだし。」




………は?


あの誰もが知ってる大手企業の清鴎の後継者が…樹紀……?




「聞いたの。私。
さすがに…家出の子をかくまう訳にも行かないし…

そしたら樹紀くん、清鴎の後継ぎだって…

後継ぎの問題で何かあったみたい…
それ以上は話してくれなかったけど…」




初めて知る樹紀の過去。

樹紀は…本当に王子様だったって事…?






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