秘密実験
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今が昼なのか、夜なのか──。


監禁されて何日目なのか。



いくら考えたところで、分かるはずもなかった。


杏奈は毛布の上に座り、幾度とないため息を吐き出した。



艶やかだったロングヘアーは、今やパサパサで潤いがない。


生きてこの部屋から出られるかすら危ういのに、杏奈にとって髪の手入れが出来ないことの方が辛く感じた。



自由のない、制約と緊迫の中で生き続けるしかないのなら……。


いっそ死んだ方がマシかもしれない。



澄み渡るような青い空、眩しい太陽、ひなたぼっこする野良猫、公園で遊ぶ子供たち……。


何気ない日常風景を思い出しては、猛烈な懐かしさと孤独感に身を焦がす。



「ハァ……」


どうにもならない現実に嫌気がさし、ため息をついたときだった。



扉が開いて、大柄の男が室内に入ってきた。


体格や雰囲気からしてゾンビ男だろう。


しかし、今回はゾンビの被りものではなく素顔だった。



想像以上に、厳めしい顔をしている。



「……何かおかしいか?俺の顔」


杏奈の遠慮ない視線に気づき、男が少し怪訝な顔つきになる。



「何でお面つけてないの?」


「あぁ、リーダーがもう被るなって言ったからだ」


「……ふぅん」


男から目を逸らし、興味なさそうな表情を作った。


リーダーとは、先ほどのミュージシャン崩れのような男のことだろう。



……どういう心境の変化?



「──おい。これ、つけろ」


男が目の前に立ち、杏奈の頭にヘッドフォンを被せた。



「何……?また、音楽聴けって言うの?」


「違う。黙って聞くんだ」


そう言われて、杏奈は不満げに口を噤む。


程なくして、ヘッドフォンから音が流れてきた。



黒板を爪で引っ掻いたような、身の毛もよだつ音が……。




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