源氏物語
[須磨](1/29)





「…せやからな、俺かてお前を置いてなんか行きとうないよ。けど、俺が行って、さらにお前まで行ってもうたらここは誰が守るんや?紫には俺がおらん間、この邸を守ってほしいねん」


「そんなこと言われたって、あたし一人で留守番しろというの?世間知らずの小娘だというのに」


「お前が世間知らずやと言うんなら、惟光なんてどうなんねん。自分の名前さえも分からん、ただのジジイになってまうわ」


あのー…


俺はん゙ん゙、と咳払いをしてみせる。


若君は、そんな俺を見事にシカトしてくれた。


…花散里はんの所を訪れてから数ヶ月。


若君は紫はんを説得しにかかっていた。


何を説得するかって?


そんなん決まってるやん。


須磨へ謹慎しに行くちゅうことや。


「ちょっと、惟光さんをけなさないでくれる?いくら天下の光源氏だろうと許さないわよ」


そう言って若君を睨む紫はん。


紫はんはものすごく大人になった。


しかし、気の強いところは変わっていない。





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