源氏物語
[花散里](13/13)
「良清…!」
俺もそう言うと、良清の手を握り返した。
「えーんーがーちょっ!!」
どすっ
不意にものすごい勢いで孝道が俺たちの手をチョップした。
いっ痛い…
「何すんだ孝道!!」
「うるさーい!お前らが二人だけで仲良くするから悪いんだろー!!」
「元はと言えばお前のせいだし?」
「はあっ!?全部俺のせいかよ!」
ぐにーと良清の頬をつまむ孝道。
良清も負けじと孝道の頬をつまんだ。
まったくこいつらは…
俺ははあ、とため息をついた。
こいつらのせいで俺の幸せは逃げてくわ。
俺にそういう縁が来んのはこいつらのせいやな。
「んにゃろー!」
「なんだこのへっぽこ!」
以前として睨み合うバカ二人。
もうほっとこか。
俺はそう思うと、適当な場所に座り込んで二人を眺めることにした。
暑う…
俺は烏帽子を頭から取ると、それで自分の顔を扇ぐ。
──そんな感じで、俺たちの一日は終わっていったのであった。
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