源氏物語
[花散里](1/13)





──…一週間後。


俺たちはあるお邸へと向かっていた。


「それにしても暑う〜」


若君はいかにもだらけてますというような声を牛車の中から出す。


「汗疹ができそうや」


「ええやないですか。若君は牛車の中ででろーんとしとられますけど、俺たちなんて歩いてるんですよ」


「おーおーおー口答えか?知らん間にお前も地位が上がったなあ」


「おかげさまで」


俺はこれでもかというほど嫌味を込めて言う。


…それにしても暑い。


太陽はギラギラに輝き、俺たちを容赦なく焼く。


おかげで真っ黒けっけや。


「あーあ。海行きたいなあー」


若君は以前としてぐちぐち言っている。


ほんまもう。


呑気なんやから。


「そんなぐだぐだしとる暇あるんでしたらね、行き先決めてくださいよ」


「はあ?そんなん決まっとるやんけ」


若君は何を今さらとばかりに言う。


相変わらず腹立つわあ。





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