源氏物語
[帚木](1/13)




「何ですか」


俺が若君の部屋へすっとんでいくと、若君は何やら思慮深そうに脇息にもたれかかっていた。


そんな姿もさまになるのが憎らしい。


「いや、昨日の夜な、頭中将(とうのちゅうじょう)や左馬頭(さまのかみ)といろいろ話しとったんや」


頭中将やら左馬頭というのは官職の名前である。


特に頭中将というのは若君の親友で、まあまあの美男だ。


若君に比べたら、蟻と帝くらいの違いなんやけど。


「んでな、みんな恋愛話をしてたんや。俺は葵の上しか女を知らんから黙って聞いてるだけやったんやけど」


「はあ…」


「それで頭中将が中流の女がいいって言い出したんや。話を聞くとなるほどって思えることだったんやけど。ほら、左馬頭とかもプレイボーイやん。どんな女が一番か言うてわいわいやっとったんやけどな…」


するといきなり若君が俺にずいっと近付いた。


近い…


「…やっぱり男たるもの、もっと遊ぶべきなんやろか」


「はあ?」


いきなり何を言い出すか思うたら…


そんなことかいな。





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