ハイスクール・シーフ



消失(1/10)




--------------------------------------------------------------------------------
しばらくしたら、いろんな人が中に入ってきた。
ルポライターや記者、野次馬などが数名いた。


駿「‥‥‥あの中に?」


蒼「多分な」


青「皆さん、よく来てくれました!今回の観賞会は、あの『Time Junper』が絡むような事件となりました。しかし、私は『Time Junper』の魔の手から私の命の次に大切な『七色の心』を守ってくれる方々をお呼びしました。
まずは警視庁捜査二課、『Time Junper』捜査の先頭に立つ赤井警部。そしてその彼の推薦でここに来た高校生探偵、蒼埜くん。
本当は殺人課だが、警視庁のエース候補とも名高い敏腕刑事、黒崎警部。
あとは普通の高校生の美術部の子が2人です」


館長の青山 聖也が紹介をしてくれた。
少しの間、自己紹介が始まった。

遠くから見てようと思っていたけど、オレ逹―正確には西崎―にも絡んでくる。


桃「キミが美術部の子かい?結構かわいいね?オレは桃瀬。よろしくね?」


と言って西崎に差し出した手をオレが握った。


駿「よろしくお願いしますね、桃瀬さん」


桃「あ?誰、キミ」


駿「ただの美術部ですよ。あなたみたいにテニスをしてる人じゃなくてね」


オレがそう言ったら眉をピクッと上げた。


駿「なんでわかったか――ですか?
まずはこの手の豆。右手と左手の両方にできてる。しかし、よく見ると右の方がわずかに多い。さっき西崎に右手で握手を求めたってことは、あなたは右利きだ。利き手を知らない人へ握手を求める場合、だいたいが利き手だからね。
つまりこの手の豆はラケットを握ってできた豆。右手だけに多いのは、フォワーハンドが右手だからですよね?それに付いてますよ。テニスで手首につけてるリストバンドの日焼けの跡がね」


ズバリと的中したのか、オレといるのが怖くなったのだろう。桃瀬は逃げるようにオレ逹から離れていった。


- 56 -

前n[*][#]次n

/132 n


しおりを挟む




⇒作品?レビュー
⇒モバスペ?Book?


編集


戻る