怪盗の依頼(1/11)
とある日、オレは変装の練習をしていた。
覆面は作り上げるのに、早くても二週間はかかる。声帯模写の練習も終えて、だいぶ怪盗らしくなってきた。
怪盗としての武器が何1つないオレは、早く自分の武器を見つけないといけない。
次「ん?電話だ‥‥‥」
ある人の覆面をかぶっていたオレのスマホに電話がかかってきた。
次「はい?」
塔『もしもし洋次郎か?オレだ』
オレ――と呼ばれてわかるとは思えないけど、オレを『洋次郎』と呼ぶのは1人しかいない。
次「なんですか?塔真さん」
塔『お前に盗み依頼だ。詳しく話がしたい。今すぐにジョナサンに来てくれ』
それだけ言われて電話を切られた。
オレはため息をつき、ジョナサンに向かった。
ただな、塔真さん。場所を教えてくれたのはいいけど、どこのジョナサンかを教えてくれ。
――――――――――
塔「すいません。浜は?」
ジョナサンに塔真さんが来た。
店員が「あちらです」と言って場所を教えたけど、塔真さんの顔を見た瞬間、その顔色が変わった。
次「やあ、塔真さん」
塔「洋次郎‥‥‥オレの顔をしてオレに会うのはやめてくれ。普通の人が見たら、かなり焦るぞ」
次「だよな」
オレは変装のマスクを剥がして素顔を出した。
次「話を聞かせてくれよ、塔真さん」
塔「まあ、慌てるな。とりあえずグラタンで」
何頼んでんだ、あんた。
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